2014年、平凡なわたしたちが貧困解決のためにできる10のこと
路上で寝ているホームレスのおじさん。
たまに、終電逃してネットカフェに行くと、遭遇するネットカフェ難民と思われる人。
軽度発達障害を持っていて、周囲の空気が読めず、いつも一人ぼっちでいるクラスメイト。
あなたは、前に書いたような人たちに、普段、どんなコミュニケーションをしているだろうか?
『何にもしないよ、しょうがないでしょ?可哀そうと思うけど、ほっておくしかないよね」と、答える人が多いのではないでしょうか。
うん、正しい意見だ。NPOとかボランティアに関係していないのなら、一生、貧困の問題に目をそらしながら生きていく事ができると思う。
生まれながら、お金や人脈に困らない環境にいるんだから、「ほっておくしかない」、「可哀そうだけど、しょうがない!」と思ってしまうのは当然の事です。
だから、もし、あなたがいい人で、「僕(わたし)って、しょがないとかほっておくとか思ったりして、嫌な奴だよなぁ~」と、考えてしまう時があるなら、気にしないでほしい。
誰しも自分に関係のない事に情熱を持てないものなんだから。
でも、そんないい人なあなたに、僕からささやか提案があるんです。
べつに、NPOとか大きなボランティア団体じゃなくても、日常レベルで支援や活動をしていく方法だってあると思うんですよ。
なので、今日は、平凡な僕やあなたが日常レベルで出来る貧困解決のための10の心得、アイディアをお伝えしたいと思います。
参考書は、湯浅誠さんの「貧困襲来」です。
2007年に出版された古本ですが、全然、色あせていないんです。
むしろ今後、貧困史を勉強するには、もってこいの本です。
今回は、湯浅さんが提案する貧困解決のために出来る10のことを僕が実践的に改良してお届けします。
では、まず湯浅さんの提案から。
その1、自己責任論とオサラバする
その2、自分を排除しない
その3、疑ってみる
その4、調べる、相談する
その5、計算する
その6、ぼやく
その7、はじける
その8、つながる、群れる
その9、攻める
その10、変える
どうでしょう?なんかワクワクするラインナップですよね。
中でも重要なのは、1と2だと思うんです。
あなたや僕が何か活動や支援をする時に、邪魔になってくるのが自己責任論です。
以下、引用。
『だまされたと思って、自己責任論(自分のせいだから仕方がないという考え方)ではない考え方をしてみませんか?
(中略)貧困は本人たちの努力が足りなかった、実力がなかった、運が悪かったという問題ではなく、社会の側の努力の足りなさ、実力(社会力、政治力、市民力)のなさを物語っている。
それは、社会の側の責任を、何よりも政治の責任を問うている』
だまされたと思って(笑)、自己責任論を捨ててみる。
たとえ、表面的にその人の責任でホームレスになってしまったように見えても、一度、冷静になって考えてみる。
「家族が早くに亡くなってしまったのかもしれない」
「異常ないじめ、パワハラにあって精神を病んでしまったのかもしれない」
だから、ヤケになっているのかな?
そんなふうに、想像力を働かせて、考えてほしいんです。
自己責任論については、しっかりと説明しなければならないと思うので、またブログのテーマとして取り上げたいと思います。
次に、2の自分を排除しない。
これは、自殺という解りやすい自分への排除だけではなく、日常の生活の中でも大事になって来ます。
以下、引用です。
『他人に自己責任論を使わないのと同様に、自分自身も自己責任論とオサラバしよう。
「自分は悪くない」と考えよう。
そんな事を言うと、どこかの自己啓発セミナーみたいに聞こえるかもしれないし、すぐに「そんなぬるい事を言ってんじゃねぇーよ」と言われそうだ。
しかし、私は本気だ。特に今現在、うまく行ってない人には、自分は悪くないと100回唱える事をお勧めしたい』
自分は悪くないと考えるって難しいよね?と感じる人が多いかもしれない。
でも、自立をするにしても、休養するにしても、「僕(わたし)が悪いんだぁ、だから、何されても仕方がないんだぁ」と考えている状態では一歩踏み出す事が出来ないんです。
自分を排除しない重要性も自己責任論と同様に別に語らせて頂きたいと思います。
たとえば、あなたが学生さんだったら、解りやすいかもしれません。
想像してみてください。
あなたは、登下校の時に、いつも見かけるホームレスのオジサンが気になっていたとする。
「雪が降った時はどうしてるんだろう?」、「餓死の危険はないのかな?」と、いろいろと疑問に思う事もある。
これが、すでに、3の疑ってみるって事なんです。
次のステップとして、自分なりに支援したり、ホームレスの人たちに声をかけてみるのがベストだけれど、ちょっと、それはハードルが高いですよね。
もしかしたら、怒鳴られるかも?追いかけられたら怖い。そんな事を考えて、一歩が踏み出せなくなってしまうのが普通です。
そこで、4の『調べる、相談する』が重要になって来る。
日本には、様々な生活支援団体があって、あなたが連絡すれば、相談に乗ってくれる可能性が高い。
一人では一歩踏み出せない事も団体と一緒に動いてみると、光が見えて来る。
一番有名なのは、派遣村で有名な自立生活サポートセンター『もやい』。
次に、反貧困ネットワークなどが有名なので、連絡してみるのが良いと思う。
次に、5の計算する。
これは、ちょっと解りにくいかもしれない。
これを理解するためには、まず憲法25条の一文を読んでほしい。
『国が生活に困窮するすべての国民に対し、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、自立を助ける』
この文章にある、『健康で文化的な最低限度の生活』をするには、いくら必要なのかを計算してみるという事なんです、簡単に言うと。
でも、この計算の事を語り出すと、物凄く長くなっちゃうので、とりあえず、太田のりこ、河西保夫著『プチ生活保護のススメ』を読んでみてください。
計算の仕方がのっています。
いよいよ、後半になって来ました。
6~8は、ある意味、連動しています。
「ホームレスの人達って大丈夫なの?」と友達同士でぼやいてみる。
そして、はじけてみる。
実際に学校の先生や行政に「自分たちには何か出来ないか?」と、訴えてみてもいい。それが、はじけること。
8のつながる、群れるは、自分一人では何も出来ないけれど、多くの人数であれば、何か出来る可能性があるということ。
最後に、9の「攻める」と10の「変える」。
これが、なかなか難しい。変えるという事に対して、諦めている人はたくさんいる。
でも、僕もここに書いた10のステップを参考にしながら、自分なりにやって行きたいと思います。
そのためにも、9の「攻める」は重要だ。
実は、こんな事を書いている自分も全然、行動出来ていないところがたくさんある。
でも、そんな自分を排除せずに、コツコツとやって行きたいと思います。
まずは、いつも買っているビックイシューの販売オジサンと世間話しをする事にしよう(笑)
出来る事からコツコツと。