戦争は格差・貧困を必要としている!まずは、この国の貧困を無くす方法を考えてみよう
戦後70年にあたって、多くの特集番組、戦争をテーマにしたドラマが放送されました。
終戦記念日を迎える前にも、集団的自衛権や特定秘密保護法などの影響で、多くの人がブログやフェイスブック、ツイッタ―で「戦争とは何なのか?」について、発表しているのを目にするようになりましたね
当ブログは貧困をテーマにしています。
いい機会です。戦後70年を迎えた、この年に、貧困と戦争について読者の皆さんと考えたいと思います。
貧困から来る戦争のリアル
by:isafmedia
貧困と戦争は切っても切れない関係です。
日本だけでなく、世界的に見ても戦争の根元には貧困問題が隠されていると言っていいでしょう。
とは言っても、「じゃあ、貧困と戦争の関係について説明してくれよ!」と、問い詰められると困ってしまいます(笑)
今から、国会図書館に行って、一つ一つ莫大な資料を調べなければなりませんし、本気で調べるなら戦争を体験された方々のお話しも聴かなければいけないでしょう。
でも、残念ながら、時間がありません。日々の仕事で精一杯です(笑)
きっと、皆さんにも、似た感覚があるのではないでしょうか?
戦後70年特集番組やドラマを観た直後は、「戦争」について、じっくり考えるかもしれません。
が、日々の仕事や人間関係が忙しくて、また元の日常に戻って行ってしまうと思うんです。
「戦争はしてはいけない。ただ、毎日の仕事や人との付き合いが忙しくて、具体的に何をすればいいのか解らない!とりあえず平和だからよくない?」
これが、多くの人の本音ではないでしょうか?
けして、悪い事じゃありません。むしろ、普通です。
人は体験しないと自分の問題として引き受けないものなんですよ
どうやったら自分が体験していない戦争を自分の問題として引き受ける事が出来るか?
そんな問題が浮上した時、僕は一冊の本を皆さんに薦めたいと思うんです。
作家・雨宮処凛さんが書いた「14歳からの戦争のリアル」という本です。
この本は、雨宮さんが戦争を体験された方々にインタビューした記事をまとめた、インタビュー集になっています。取材相手は、多種多様です。
日本兵として戦った方はもちろん、イラク戦争に参加した元アメリカ海兵隊員、戦場に行ったボランティア活動家、戦争を終わらせる方法を考える紛争屋、戦場出稼ぎ労働に行った男性、元自衛官、戦争を体験した女優。
僕は、ここまで多種多様な人たちから、戦争体験を聴いているインタビュー集をはじめて読みました。
日常の忙しい日々の合間にある休日を利用して、「戦争」をテーマにした一冊の本を読む。
小さい事かもしれませんが、僕らが戦争を自分の問題として考える大きな一歩になると思うんです。
しかも、14歳を対象に書かれているので、読みやすい。僕は普段、押し売りみたいな事は言いませんが、今日だけは言わせてください(笑)
この本は、買ったほうがいい、読んだほうがいい!自分の本棚の手の届くところに置いておいてください。
それだけ優れた良書です。
戦争という貧困ビジネス
by:unai pascual
本の終盤に、雨宮さんはこんな事を言っています。
最後に書いておきたいことがある。
それは、戦争は格差・貧困を必要とするという事だ。
現在、日本の非正規雇用率は、38・2%。実に2000万人以上が正社員ではない働き方をしている。
そんな非正規で働く人々の平均年収は168万円(国税庁)。正社員の平均年収468万円からきっちり300万円、下がる。
働いているのに年収200万円以下のいわゆるワーキングプア層は2013年に1100万人を突破。
そのうち400万人以上が年収100万円以下という状況だ。2012年の時点で、この国の貧困率は16・1%と過去最悪の数値となった。
17歳以下の子どもの貧困率は16・3%とこちらも過去最悪。
実にこの国に住む人の6~7人に1人が貧困という状態なのだ。
ちなみに貧困の定義は、1人暮らしの場合、月の収入が10万2000円以下の暮らしだ。
ここから家賃や光熱費、食費を支払うのは至難の業だろう。
いかがだったでしょうか?なんか大きな溜息が出て来ますよね。
引用で説明した部分をぜひ覚えておいてください。
現在の日本の貧困問題が以下に説明するイラク戦争時のアメリカの貧困問題とダブって来ます。
ここに衝撃的な数字がある。
08年の時点で、イラクにいた米兵は約16万人。対してイラク国内の米軍関連の業務に従事していた民間人は約19万人。民間人が米兵の数を上回っているのだ。
それでも、「まさか貧乏人が戦場に行かされるなんてあるわけない」と思う人もいるかもしれない。
しかし、アメリカでは、実際に多重責務者がイラクに送り込まれている。
(中略)戦場に送り込まれるのは、多重責務者だけではない。
「ルポ貧困大国アメリカ」(堤未果)には、貧しい高校生や大学生が、米軍から「入隊すれば大学の学費を国防省が負担する」、「入隊すれば学資ローンの返済を免除する」という勧誘を受ける事態が描かれている。特に高校生の勧誘が凄まじい。
これを読んで、ゾッとした読者の方もいるでしょう。
しかし、残念ながら事実です。雨宮さんはこの状態を経済的徴兵制と表現しています。
経済的徴兵制を防ぐために、貧困に目を向けよう!
経済的徴兵制とは、何か?
簡単に言うと、徴兵制が禁止されている国では民間人を強制的に入隊させる事が出来ないため、生活に困窮している貧困状態の人に入隊を薦めること、です。
要するに、兵隊になりたくなくてもお金がないために、入隊せざる得ない人が増えて行ってしまうわけです。
ここで、もう一度、「戦争は格差・貧困を必要とする」という言葉を思い出してほしいと思います。
今の日本の貧困問題を直視して考えた時に、すでに日本にも経済的徴兵制を実現させる下地が出来ていると思えてならないんです。
僕は冒頭で、「戦争の特集番組やドラマを観た後は、戦争について深く考える事が出来るが、日々の忙しい日々に流されて、やがて忘れてしまう、それが普通だ」と、お伝えしました。
しかし、戦争を防ぐためにどうすればいいのか?をつねに考える事は出来なくても、貧困を防ぐためにどうすればいいのか?は日常の中で考える事が出来ます。
なぜなら、引用で説明したように、日本の非正規雇用率は、38・2%。、実に2000万人以上が正社員ではない働き方をしている、からです。
貧困問題は、もはや日常なんです。
もしかしたら、あなたの家のお隣さんは、年収200万円以下のワーキングプアかもしれない。会社の同僚の息子さんが非正規雇用かもしれない。
終電を乗り過ごして、たまたま泊まったネットカフェで隣にネットカフェ難民がいる事だってありえます。何度も言いますが、貧困は日常の中にあります。
あなたは仕事が忙しいかもしれません。恋人や友人との遊びに夢中かもしれない。
でも、いつ非正規雇用2000万人の中の一人になってもおかしくない時代なんです。
もはや日常の中にある貧困にちょっとだけでもいいから、目を向けてほしい。
大きな事じゃなくてもいい。小さい一歩でいい。
まずは、貧困に関係する本を一冊読んでみる。そして、読んでみたら、友だちや恋人と貧困と戦争について話し合ってみる。それだけでいい。
「戦争は格差・貧困を必要としている」のなら、貧困を無くして行こうとする事が戦争を防ぐ事になります。
共に、貧困と戦争の関係を絶ち切って行こうではないか?
ちなみに、以下の本も勉強になります↓
「生きづらさ」について?貧困、アイデンティティ、ナショナリズム? (光文社新書)
- 作者: 雨宮処凛,萱野稔人
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る