注目するべき社会問題は、生活保護基準が低すぎる事だと思うたった一つの理由
7月10日(日)の選挙が近づいて来ました
皆さんは、もうどこに投票するか決めましたか?
「実はまだ迷っているんだよねぇ~」と、言う人もきっといる事でしょう。
では、なぜ迷ってしまうのか?それは、各党、各候補者がみんな似たような政策を言っているからですよね(笑)
たさくんある政策すべてに目を通して、判断して行くのは大変です。
そこで、私から提案があります。
自分の日常生活にある身近な問題一つに、目を向けてみてはいかがでしょうか?
全部が無理なら一つだけでいい。
その問題一つを解決してくれそうな政策に注目してみるんです
たとえば、この記事を読んでいる人が学生さんなら、奨学金の問題。
「大学を卒業したと同時に借金を背負うのって、あり得なくない?!」という不満を持っている人も多いはず。
だったら、学生、若者の将来、未来に各候補者がどんなビジョンを描いているか?に注目してみればいいんですよ
また、この記事を読んでいる人がサラリーマン、OLさんだったら、ブラック企業問題に注目してみるのもいいのではないでしょうか。
「こんなに働いているのに、給料少なすぎないか?!」
「毎日、上司に虐められて、パワハラに合っている、さすがに限界だ」
「同僚の男にセクハラされている。怖くて、辞めてくれ、と言えないでいる」
パワハラ、セクハラ、モラハラの問題。そして、ブラック企業問題。
これらの問題を候補者達がどう考えているのか?をチェックしてみればいいんです
まだまだありますよ。年金だけでは食べていけない高齢者の問題。子供の6人に1人は貧困状態であることの問題。数え上げれば切がない。
ここで、私の最も注目している身近な問題を発表しましょう。
貧困問題、中でも生活保護基準が低すぎる、という問題です。
なぜ生活保護基準の低さが僕の身近な問題なのか?ちょっと語らせてください。
生活保護基準が人の命を左右する
しかし、今、生活保護はとても使いにくい制度になってしまっています。
その原因は、生活保護基準が低すぎる事にあるんです。
生活保護基準は日本国内で「健康で文化的な最低限度の生活」を営むために必要な最低ラインを示す、という機能を持っています。
どういう事か説明するために、まずはNPO自立生活サポートセンター・もやい理事の稲葉剛さんが書いた「生活保護から考える」を引用したいと思います。
- 作者: 稲葉剛
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もやいの事務所には、年間1000人近くの方が生活の相談に訪れます。
相談者の年齢層は、下は10代から上は80代までであり、私たちは一人ひとりの方の生活状況を聞き取り、必要に応じて生活保護などの公的サービスの申請支援を行っています。
特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい | もやいは、 自立をめざす生活困窮者の 新たな生活の再出発を お手伝いします。
こうした相談活動の中で私達が一番対応に苦慮するのは、生活保護がギリギリに受けられない低年金の高齢者の相談です。
(中略)春に相談にやって来た杉山典子さん(仮名、70歳)は、月10万円の年金をやりくりしながら、東京都内の老朽化したアパートで一人暮らしをしていました。
アパートは築50年以上が経過しており、家賃は月2万円。大家は老朽化したアパートを取り壊す意向を持っており、杉山さん以外の入居者はすでに退去。彼女自身も早く出て行ってほしいと言われている状態でした。
ところが、杉山さんは日々の暮らしを営むのにギリギリの年金額で生活しており、家族からの援助も見込めないため、引っ越しをするにもお金がありません。
(中略)私が考えたのは、生活保護を申請する事でした。
この点は誤解している方も多いのですが、預貯金などの資産がなく、収入が生活保護基準を下回っていれば、年金生活者でも生活保護を利用する事が出来ます。
(中略)生活保護基準は日本国内で「健康で文化的な最低限度の生活」を営むために必要な最低ラインを示す、という機能を持っています。
(中略)生活保護の基準は年齢、世帯の人数、地域によって変化するため、私は計算ソフトを使って計算してみました。
その結果、東京都内における70代単身者の生活保護基準(2012年)は、生活扶助が7万5770円。家賃は実費分しか出ないので、家賃2万円の場合、最低生活費は9万5770円となることがわかりました。
(中略)結局、月10万円の年金収入がある杉山さんは、収入オーバーで生活保護適応外になってしまう事が判明しました。
(中略)生活保護基準がさらに下がれば、彼女のような低年金の高齢者が「ギリギリで生活保護基準を上回る」とされて、生活保護制度から除外されてしまうケースが増えてしまいます。
さぁ、読んでみて、どうだったでしょうか?
きっと、「ええ!、生活保護って、そんなちょっとのオーバーで使えなくなっちゃうの?!ケチすぎるだろう!」と、思った方もいるでしょう。
僕も引用の文章を最初に読んだ時、同じように思いました。
また、同時に、「杉山さんは気の毒に思うけど、しょうがないよ、諦めるしかないんだよ」と、感じた若い読者の方がいるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
引用の文章の最後にはこう書いてあります。
同様の問題は、働いていても生活保護以下の収入しかないワーキングプア層についても起こります
高齢者だけの問題ではないんです!
低収入でも生活保護が利用できない僕の仲間達
僕は30代で年収250万円代のフリーライター&ブロガーです。
そのため、お金持ちでリア充感100%の人達とは話しが合わないので、自然に周囲に集まって来る仲間は貧乏人が多いんですよ。
最近、女友達が経営している安いBARで飲んでいると、聞こえて来るのが引用文章で出て来たような生活保護基準をギリギリ上回る収入を得ているために、生活保護を利用できない事に対する嘆きの声です。
ギリギリ上回るというのがポイントですね
みんな月13万円とか14万円の月収で、本当にギリギリの生活をしているんですよ。
怠けているわけではありません。
全力で働きたくても働けない状態にあるわけです。
また、ウツや発達障害で悩む人達は、家族関係が悪く、家族に頼れない場合が多い。
頼りになるのは、出会ってきた仲間達だけなんです。
でも、生活保護基準をギリギリ上回っているため、生活保護を使えない。
そんな事を考えてみると、まさに、僕にとって、生活保護基準が低すぎる問題は、他人事ではないんですよ。
さぁ、どうだったでしょうか?ぜひ、皆さんも、自分の身近な問題を考えてみてください。
そして、選挙に行ってほしい。なぜなら、選挙に行って、一票をいれる事は、あなただけではなく、あなたと同じ事で苦しむ仲間達を助ける事になるからです。
共に仲間達を助けて行こうではないか?!