脱貧困ブログ

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生活保護バッシングを無くすために私から提案したい2つのこと

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生活保護を使うのは恥だ』、『生活保護を使うのは甘えだ』

こんな意見が世の中にあふれています。

 

皆さんもネットやテレビなどで、生活保護利用者に対するバッシングを何度か目にした事があるのではないでしょうか。

皆さんは、そんな生活保護利用者に対するバッシングをどんなふうに考えてますか?

 

僕はこんなふうに考えているんです。生活保護利用者をバッシングするのはこの国に住むすべての人達にとって、マイナスにしかならない、と。

だってそうじゃないですか?この国は、今、少子高齢化です。

 

という事は、働ける若い人が減って、働けない高齢者がどんどん増えて行くということ。

そして、働ける若い人が減るという事は、若い労働者一人一人が受け持つ仕事量が増えて、仕事がハードになって行くという事です。

だからこそ、ここ数年の間に、ブラック企業パワハラ、過労死、うつの問題が急速にクローズアップされていると思うんですよ。すべて、起こるべくして起こっている。

そう考えれば、生活保護が国民にとって、必要不可欠である事は間違いありません。

年金だけでは食べていけない高齢者が生活して行くためには、『補足制の原理』に則って、生活保護を使うしかない。

また、ブラック企業に就職して、うつになってしまった若者が会社を辞めて、貯金も無い、頼る人もいない状態なら、生活保護を検討するのが自然です。

やっぱり、どう考えても、生活保護を批判し、バッシングするのは自分達にとって、プラスにはならないんですよ。自ら使いにくくする必要はないんです。

しかし、それなのに、「そっか、じゃあ、生活保護バッシングを辞めて、生活保護が必要な人達が使いやすい雰囲気にして行こう!」とはならない。

 

なぜなんでしょうか?私が考えて出て来た答えが以下の3つです。

その1・税金を使っている

その2・自分のほうがもっと苦しいという意識がある

その3・生活保護利用者は差別されるという恐怖

 

一つ一つ説明して行きましょう。

まず、その1の税金を使っている、という事について。

これは、もはや説明が要りませんね。ご存じのように、生活保護は税金を使っています。

ですので、よく生活保護バッシングをする人達は、「自分達が払った税金を使って、怠けている」と、生活保護利用者を批判するわけです。

 

二つ目は、自分のほうがもっと苦しいという意識がある、という事について。

これは、生活保護の基準が基礎年金(40年加入で月額約65000円)より高く、地域によっては最低資金でフルタイム就労して得られる給与よりも高い、という問題から来る意識です。

よって、「生活保護利用者はズルい、自分のほうが生活が苦しい」という批判が生まれてしまうわけなんですね

 

そして、最後の3つ目。生活保護利用者は差別されるという恐怖です。上記の2つから来るバッシングを受けて、本当に生活に苦しんでいる人達が差別を恐れ、生活保護を使う事に恐怖を覚えるようになります。

「差別されるなら、生活保護は使えない。生活保護は何の役にも立たない」。

こんなふうに、生活に困窮している当事者が生活保護に悪いイメージを持つようになってしまうんです。

 

私は生活保護が今後、ますます必要になって来るにも関わらず、バッシングされてしまうのは、この3つの原因が大きいのではないか、と考えました。

そこで、今日はもっと突っ込んで、この3つを解決するための案を発表したいと思います。

と言っても、私は経済学者じゃないし、ほぼ高卒の頭の悪いオジサンです。

しかし、スラムダンク安西先生が言ってましたよね、「諦めたらそこで試合終了」なんですよ。

ぜひ、じっくり考えたいと思います。また、皆さんもせっかくなので、この問題を考えてみてください。

 

友達、恋人、家族と話し合ってみてほしい。それが、この国、社会を変える小さな一歩になります。

以下に二つにまとめてみました。

 

生活保護を保険化する

その1の問題解決案を考えてみましょう。

生活保護利用者は、自分達が一生懸命に働いて払った税金で楽をしている」

こんな批判は、なぜ生まれてしまうのか?

 

それは、意外に簡単です。生活保護利用者に対して、税金で楽をしていると批判している人達は、「自分は生活保護を今後、絶対に利用しない」という確信があるんです。

よく考えてみてください。

もし、「自分はこれから生活保護を使うかもしれない」と思っているのなら、簡単に生活保護法を批判したりしません。だって、自分も使う可能性があるから。

 

絶対に生活保護を使わない自信があるからこそ、使っている人達を下に見れる。

だから、「自分は使わないかもしれない生活保護のために、税金を払いたくない」と、怒りだす人達がいる。

これは、年金という制度を考えてみれば、よく解る事です。

 

ほとんどの人達が年金を貰って申し訳ないと思わないし、年金を貰っている人に対して批判したりしない。それは、なぜか?

 

それは、払ったものがのちに返って来ているだけであること、を多くの人が理解しているからです。

この発想を生活保護にも使えないでしょうか?要するに、生活保護も年金と同じように、保険化にしてしまうんですよ。

 

実は、この提案は、僕のものではありません。大ベストセラーになった藤田孝典さんの『下流老人』に書いてあった提案です。

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)

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僕には到底、思いつかない大胆な案ですが、これから子供の貧困や高齢者の貧困が深刻化して行くのが目に見えている今こそ、必要な政策として考えてみる時だと思います。

生活保護を払ったお金がのちに返ってくる制度にすれば、バッシングも無くなって行くのではないでしょうか?

この提案は、「保険料を払って来たんだから、サービスを受けて当然」と思ってもらう事が最大の狙いです。

皆さんはどう思いますか?

 

社会構造に目を向ける

その2とその3はとくに難しい問題だと思います。

なぜなら、人の心の問題も関わって来るからです。

 

その2とその3には妬み、嫉み、と言った厄介な人間の感情があります。これは、政策、制度が変わっただけでは、無くならない感情なんですよ。

だから、私たちの価値観、考え方、哲学を変えていかなければならない。

そんな時、ぜひ、覚えておいてほしい言葉があります。

 「働いた賃金より生活保護費の方が高いのはおかしい」じゃなく「賃金が生活保護費より低いのがおかしい」。

「不公平だから保護費を下げろ」って言ったら国は嬉々として「了解、下げます。だから賃金も年金も低いままでいいね」となる。

「賃金、年金を生活保護基準まで上げろ!」が正しい声の上げ方。

 

 なかなかいい言葉でしょ?、この言葉は漫画家のさいきまこさんのツイートから引用しました。

陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)

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神様の背中?貧困の中の子どもたち?(書籍扱いコミックス)

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 貧困問題をテーマにした上記の2作品が有名です。

苦しい者同士で批判し合うのではなく、社会の構造に注目していく事が重要です

ぜひ、さいき先生の言葉を忘れないで行きましょう。

共に、生活保護バッシングを無くして行こうではないか?!