「あなたが心配で」の言葉の裏には、「あなたは一人じゃ何も出来ない」という想いが隠れている
私が小学生の頃。
忘れられない母親との思い出があります。
当時、母は父親の仕事を手伝いながら、幼い私と妹の面倒をみていました。
家事をやりながら、父親の仕事を手伝っていたので、かなり疲れていた、と思います。
ある日、そんな母親を心配して、私は家事を手伝うようになりました。
最初、母は、『ありがとう』と、お礼を言ってくれて、私もすごく気分が良かった。
子供ながらに、母の役に立っている事に喜びを感じていたんだ、と思うんです。
しかし、時が経つにつれて、母親の態度が急変します。
ろこつに不機嫌になって行ったんです。
皆さんは、ここまで読んで、『えっ?、手伝ってるのに、なんで?』と、疑問に思ったかもしれません。
答えを言いましょう。
母親の不機嫌の原因は、私の手伝っている時の気持ちにあったんです。
母親は、『自分はまだ一人で出来るのに、出来ないと思われた。甘くみられている』と、思うようになっていたんですよ
意味が解りますか?
想像してみてください。
自分が何か仕事を任されたとします。
自分でガンガン仕事をしている時に、同僚に『手伝う?』と言われたら、ありがたいけど、ちょっとムカッとしますよね?笑
『こいつは、私が一人では何も出来ない奴だと、甘くみてるのか?』と、思ってしまう。
あの時の母親も、私に対して、同じように感じたんだ、と思うんです
『助けて』の言葉を待て
当時の母親は、私の上から目線の気持ちに気がついていたんだ、と思うんです。
その気持ちとは、『どうせ一人では、出来ないんでしょ?』という馬鹿にする気持ちです。
どんなに、疲れていても、そんな馬鹿にする気持ちで手伝ってもらうなら、手伝ってもらわないほうがいい。
当時の私は、子供だったので、そんな当たり前の事が解りませんでした。
今なら、どうするか?
今の私なら、『何かあったら、声をかけてね、いつでも手伝うから』と、伝えておきます。
そして、『本当に疲れたり、苦しい時は、助けてと言ってくれるはずだ』と、母親の事を信じて待ちます。
この記事をお読みの方は、『でもさぁ、何かあるまで待ってたらさぁ、手遅れにならない?』と、反論するかもしれない。
でもね、それは、日頃の生活で、信頼関係を作れていなかったって事なんですよ
本当に信頼関係があるなら、苦しい時に、『助けて』と、言ってくれるはずなんです。
これは、何も親子関係に限った話しではありません。
恋人、友達、仕事仲間、すべての事に言えること。
もっと、言うと、介護や障害を持っている人に対しても、同じです。
私は、道で目の見えない人に会っても、むやみに手をかしたりしません。
もしかしたら、事前にリサーチしている道を歩いていて、人に助けてもらえなくても、歩ける可能性があるからです。
でも、あなたが『目が見えないんだから、どうせ転んじゃうでしょ?』と、甘くみていると、何も考えないで、助けてしまうんですよ
それは、逆に、相手に対して、失礼です。
信頼とは、相手が『助けて』と言ってくれるのを待つこと。信じること。
忘れないようにしましょう
共に、本当の信頼を学んで行こうではないか?!