雨宮処凛氏「一億総貧困時代」を読んで、自己責任論は意味がないことを知ってくれ!
- 作者: 雨宮処凛
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2017/01/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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実は、給料の関係でまだ買ってなくて、読んでません(笑)、すいません。
でも、今から読むのが楽しみな一冊なんです。いや、楽しみ、という言葉は適切ではないかもしれない。
楽しみ、というよりも、知らなければいけない現実を知る事が出来て、背筋を伸ばす事が出来る本と言ったほうがいいかもしれない。
簡単に言えば、自分に「喝」を入れてくれる本なんです。
読んでもいないのに、なぜそう断言できるのか?
それは、上記の本がWEBサイト「集英社インターナショナル」で連載されているからです。
毎回、欠かさず読んで来ましたが、中でも印象に残っているのは、第一回「お父さんの子どもを産みました、虐待の末、路上に辿り着いた女性」の回です。
今日は、大ファンの雨宮処凛さんの最新刊出版を記念して、連載第一回を振り返ってみたいと思います。
自己責任論は意味がない
未だに、貧困当事者に対して、「自己責任論」で語る人達がいます。
要するに、「自分でなんとか出来たんじゃないか?」、「かわいそうだけど、自業自得でしょ?」という意見を持っている人達です。
しかし、おそらく、そういう意見を持つ人達は、「一億総貧困時代」に出て来る人達がどんな人生を送って来たか、を知らないと思うんですよ
知っていたら、そんな意見を持つわけない。
ちょっと、第一回の連載から引用してみましょう。
彼女には、幼い頃からの被虐待経験があり、そして、小学生になる娘さんがいる。
気が遠くなるほどに壮絶な彼女の人生だが、とはいえ、児童虐待の数は、近年ひどく増加しているのが現実でもある。
彼女を特殊な人だと、その人生を自己責任だと、誰が言えるのだろう。
第一回の連載に登場するのは、ホームレスの女性です。
その女性が小さい頃から虐待を受け、帰る家がない状態で路上をさまよって来た生きざまが描かれています。
こういう事を書くと、こんなふうに反論してくる人がいるかもしれない。
「いや、違うんだよ、この連載に出て来る人達は、本当の貧困だから解るんだよ。
こっちが言ってるのは、虐待とかじゃなくて、明らかに怠けている人達に対して言っているの!」
いや、でもね、それも違うと思うんですよ。
なぜなら、そういう人達も、結局、貧困予備軍だからです。
今は、上記の記事に出て来るホームレス女性みたいになっていないかもしれない。
しかし、一歩間違えば、いつでも記事で紹介されたホームレス女性になってしまう可能性があるんです。
想像してみてほしい。
もし、今の家族と絶縁状態だったら?、コミュニケーション障害で友達が一人もいなかったら?、ブラック企業に入っちゃって、うつになってしまっていたら?
今の生活をキープしているセーフティネットが一つ崩れただけで、もう貧困の入り口に立っている。
今や誰もが貧困になってしまう時代なんです。まさに、一億総貧困時代。
だから、自己責任論は意味がない。
ぜひ、本を読んでみたいと思います。
共に、一億総貧困時代を乗り越えて行こうではないか?!