レオナルド・ディカプリオ主演、アカデミー賞ノミネート、映画、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は貧困映画だ!
映画、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は貧困映画だ!
そんなふうに、断言したら、あなたはどんなふうに感じるでしょうか?
レオナルド・ディカプリオ主演で、アカデミー賞5部門にノミネートされた、この作品。
レオ様演じる、主人公のジョーダンベルホードが金と女に狂っていく人生が描かれています。
おおかみと呼ばれた実在の株式ブローカーの回想録を原作にしたドラマです。
資料によりますと、主人公のモデルになった人物は、なんと約49億円もの年収を稼いでいたというのですから、驚き。
49億円!49億円ですよ、想像できない金額ですね。
映画を観た方は、解ると思うんですが、物凄い豪華な映画でした。
ちょっとしたシーンに車一台ぶっ壊したり、でかい船に、でかい屋敷、海外ロケ。
思わず目が釘づけになります。
でも、そんな豪華なシーンに騙されちゃいけません。
この映画の奥底には、貧困が隠されているんです。
「豪華な映画と言っておいて、何で貧困映画なの?」と疑問に思われた方がいるかもしれませんね。
ご説明しましょう。
画面に描かれている具体的な表現と言うよりも、もっと奥にある映画の心臓部分に僕は興味を持ったんですよ。
「よく言うテーマってこと?」
う~ん、テーマって言うほど、大袈裟な事じゃありません。
解りやすく言うと、主人公や登場人物が何に恐れているか?って事です。
映画の中盤に、主人公のジョーダンベルホードが大勢の社員たちの前で名演説を披露するシーンがあります。
メモしていないので、正確には書けませんが、重要な部分だけ書かせてもらいます。
『俺達には今、金がある。
だが、その金がなかったら、どうなってたと思う?今頃、汚い服を着て、ボロボロな車に乗り、ブスな妻を助手席に乗せて、明日の生活を心配しながら生きているに違いない。
だが、今はどうだ?俺達には金がある。いい女もいい服もいい車も手に入る。
この生活を望んで何が悪いんだ?』
主人公の哲学ってだいたいこんな感じです。
僕、この言葉を聴いた時、正直、実に正しいと思ってしまいました(笑)
この映画の長所って、前のセリフからでも解るように、物凄く素直であるって事なんですよ。
綺麗ごとが一つもない。
金持ちの男が欲に溺れて、悲惨な最後を迎えました、というストーリーじゃない。
監督のスコセッシもレオ様も、最後まで主人公の生き方を認めて映画を作っている。
説教くさくないんです。
それがこの映画のエネルギーになっているように思えてなりません。
でも、主人公の哲学は解るんだけど、「よし、じゃあ、この映画の主人公のように、お金持ちになって、カッコイイ車に乗り、助手席にモデルみたいないい女を乗せるぜ!」というふうにはならなかったんですよね。
なぜか。
それは、主人公はお金をコントロールしているように見えて、実はお金を恐れているように見えたからなんです。
この世の中には、お金持ちだけど、全然、お金を使わない人っているんです。
たとえば、株式会社リブセンスの社長、村上太一さん。
最年少上場記録を出し、「ジョブセンス」というネットサービスをはじめ、様々なビジネスを成功させて来た村上さんは、今や相当な金持ちのはずです。
でも、昔、テレビ番組で村上さんの自宅を見た事があるんですが、びっくりするぐらい質素です。
たぶん、六畳ぐらいの部屋に住んでいたと思うんですよ。
あの村上さんの部屋を見た時、僕は悟ったんです。
「この人は金儲けが好きなんじゃなくて、純粋に仕事が好きなんだ」
しかも、仕事に夢中になってノイローゼになっちゃう仕事人間じゃなくて、仕事をゲームとして楽しんでいる。
つまり、村上さんは映画の主人公とは逆で、お金を恐れていない金持ちなんですよ。
村上さんは、きっと貧困や貧乏さえも恐れていないような気がするんです。
だから、自分を誇示するために、豪華な家や車、いい女を追いかけたりしない。
でも、主人公は映画が始まって終わるまで、心のどこかで貧困であること、貧乏であることを恥じて、恐れている。
つねに、主人公が貧困を意識しているという意味で、映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を貧困映画であると定義してみました。
ついでに、言うと、今の時代、『人とのつながり』がしっかり出来てくれば、自ずと、『最低限度のお金』は入って来ます。
次回は、『人とのつながり』を活かして生きる楽しい貧乏生活について語ります。
ご期待ください!