『市民が考える若者の住宅問題シンポジウム』に参加して、当事者である私が考えた4つの解決策
『市民が考える若者の住宅問題発表シンポジウム』に行って来ました!
いや~、めちゃくちゃ勉強になりましたよ、参加者は200名を超え、大盛況でした。
僕がこのシンポジムに参加した理由は、実にシンプルです。
ズバリ、当事者だから!
そもそも、このシンポジウムを知ったのは、Yahoonewsに載ったこの記事でした↓
家を借りることがリスクの時代:檻のない「牢獄」と化した実家(藤田孝典) - 個人 - Yahoo!ニュース
時間がある方はじっくり読んで頂くとして、気になった部分を引用してみます
親と同居する理由で約半数を占めるのは、「家賃が負担できないから」であった。
賃金や収入が低く、家賃を払いたくても払えない若者は、親に依存しなければ生きていけない状況が見えてくる。
特に、低所得であればあるほど、親と同居している。
そして、所得が低く、親と同居しているほど、結婚の予定がないと回答している。
若者自身が実家を出ることを賢明ではないと判断し、そこに居続けること以外に選択肢がないと考えている。
家を借りられないから実家から出られない。
これは実家がある最低限の生活は保障するが、自由な生活を奪う「牢獄」として機能しているといっても言い過ぎではないと感じる。
これ、はっきり言って、僕の事なんですよ(笑)今、僕は実家暮らしをしています。
33歳のフリーライターで、バイトしながら月17万円ぐらいの稼ぎです。
一人暮らしをやろうと思えばギリギリ出来る月収だと思います。
だから、厳しく見れば、今回のシンポジウムで考えた若者とは違うかもしれません。
でも、僕も一回、一人暮らしをやった事があるので、解るんですけど、月17万円だと生活がキツイです。
まず、友達に誘われた飲み会はすべて断らなければいけません
お金がないからです。宅飲みをすればいいじゃないか?と思われるかもしれませんが、八王子という東京の田舎に住んでいるので(笑)、誰も来たがらない
さらに、家賃4万5千円、年金払って、税金払って、スマホ代払たりすると、たちまちお金が無くなってしまうわけです。
なので、僕は実家に戻って暮らしているわけなんですよ
実家には家賃3万円で住まわしてもらっています
で、こんな事を考えて行くと、今回のシンポジウムは他人事じゃない。ガッツリ自分の問題だし、今、日本で何が起きているのか?を知る必要がある。
そんなふうに考え、シンポジウムに駆けつけたというわけなんです。
専門家、支援団体は『住まいの貧困』をどう考えているのか?
(↑今回のシンポジウムは、「若者の住宅問題 住宅政策提案書」をもとに行われました、内容はこちらを→「未婚で年収200万円以下の若者」の約8割は親の実家に居住。若者の「住まいの貧困」の現状(イケダハヤト) - 個人 - Yahoo!ニュース)
今回のシンポジウムは、日頃から住まいの貧困問題に取り組んでいるゲストがいらっしゃっていました。
以下、ゲストのご紹介。
藤田孝典(NPO法人ほっとプラス代表理事)
高野太一(「住宅政策提案・検討委員会」事務局/NPO法人ビックイシュー)
稲葉剛(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事/NPO法人もやい理事)
とくに気になった3人の意見をピックアップして行きたいと思います
貧困は雇用・福祉の問題だと思われていた
貧困は雇用・福祉の問題だと思われていて、住宅からのアプローチが無かった
ライフコースモデルの衰退を実感する
昔から政府は国民に持家を薦めて来た。
離家→貸家→持家の流れがあったが、今はない。だからこそ、住まいの貧困が問題になって来ている
住まいの貧困は、経済の問題だけではない
政策、制度の問題もある。政策、制度からの観点がもっと必要だ!
政府の住宅政策には、単身者が入っていない。
若者の住宅政策は、家族と企業が助けてくれるというものだったが、今はセーフティーネットとして機能していない
気になったポイント
僕が気になったのは、そもそも政府は持家を薦めて来たという事です!
そう考えると、ある意味、若者が実家から出れない問題は、必然なのかもしれません。
実家は檻の無い牢獄と化した
藤田孝典さんのご意見
日頃から自身が代表を務めるNPO法人ほっとプラスで、当事者の意見に耳を傾ける藤田さん。
実際に、どんな住まいの貧困状態にあるのか?を具体的な事例で説明してくれました
たとえば、両親(60歳代)と同居の非正規雇用の20代男性の場合
埼玉県内の3LDKの一戸建て
住宅ローンは完済
両親は厚生年金月25万円
男性と高校生の弟と同居
男性の収入は月額15万円程度
両親から自立しろと言われるが、転居したくても家賃負担ができるか不安で踏み出せない
上のような現場での事例から
O持家を出たくても出られない要因がある
O実家に頼り続けなければ生活が成り立たない世帯の存在
O自立できないジレンマやストレスを抱え込む若者、精神的な病や暴力の要因としての実家
O一方で実家がセーフティネット。
実家がなければホームレス生活の可能性。
気になったポイント
事例で紹介された20代男性がまるで自分の事のように感じます(笑)
SNSを使って、外と繋がってほしい!
実家暮らしは、社会に埋め込まれた時限爆弾
次に、NPO法人自立サポートセンター・もやい理事
稲葉剛さんのご意見
長年、ハウジングプア(住まいの貧困問題)に取り組んで来た稲葉さん
以下のグラフを見ると、ハウジングプア問題の流れがよく解ります。
社会の継続可能を確保するために
就労支援中心の生活困窮者自立支援法を抜本的に改正すべき
「住まいは人権」に基づく住宅政策の確率を
まずは、民間レベルで空き家を活用した低所得者支援の可能性を探りたい
ぜひ、下の記事もお読みください↓
つくろい東京ファンド代表理事・稲葉剛氏から学ぶ、なぜ路上生活やネットカフェ生活から抜け出せないのか? - 脱貧困ブログ
気になったポイント
稲葉さんが言った「実家暮らしは、社会に埋め込まれた時限爆弾」という言葉が自分に重く伸し掛かって来ます。
どちらかと言うと、藤田さんが言っていた「檻の無い牢獄」という言葉よりも、「時限爆弾」という言葉のほうが今の自分の境遇を表現していると思いました。
と言うのも、今のところ、親との関係が良好だからです。
だから、監獄と感じているわけではない。しかし、安心しているわけではありません。
さっき、今のところ、と表現しました。それは、親というセーフティネットが永遠ではないという実感があるからです。
稲葉さんは「若者の住宅問題」の最後でこんなふうに警報を鳴らしています。
昨年、生活保護法が63年ぶりに抜本改正され、扶養義務者への圧力が強化された。近年、社会保障費削減の流れの中で、家族による支えあいを制度の中に組み込んでいこうという動きが強まりつつある
私はこうした政治の動きを「絆原理主義」として批判してきた。
(中略)今回のアンケート結果は、むしろ「家族による支えあい」に依存し過ぎた日本社会の歪みを映し出しているように私には思える。
今は親がセーフティネットになっているけれども、これからどうなるか解らない。
だからこそ、時限爆弾という表現がしっくり来るんですね
この感覚は、よく解ります。
当事者、ひとりひとりに何が出来るのか?
今回のシンポジウムに参加して、平山さんが仰るように、政策、制度に住まいの貧困対策を求めていく事が重要であると感じました。
しかし、国の政策、制度に任せていたら、いつ実行されるか解りません。
待っている間に、どんどん貧困状態が広がってしまいます。
だから、いかに自分でセーフティネットを作って行くか?が課題として浮かび上がって来るんです。
そこで、シンポジウムを受けて、どんな対策が出来るか?を自分なりに考えてみました
対策、その1 ゆるーいつながりをつくろう!
シンポジウムの中で、年収200万円未満の男性は特殊ではない、という発表がありました。
調査では、20~39歳未婚者の無職率14,3%(2010年国調査)
20~39歳有業者のうち年収200万円未満30,0%(2012年就業構造基本調査)
確かに、多いと思います。
しかし、これだけ多いなら、しっかりと繋がりをつくる事によって、逆に大きな力になるのではないか?と思うんです
という事で、貧乏人、貧困予備軍の皆さん、繋がって行きましょう
ツイッター、フェイスブックを始めて、どんどん人と繋がりましょう
その2 空き家情報に敏感になろう!
空き家情報に敏感でいましょう!いつでも家を出る準備をしておきましょう
上のブログはめちゃくちゃ役に立ちます。オススメです
こちらもオススメ↓
家賃5万円以下|東京都内の格安賃貸物件・シェアハウス情報満載
その3 自分でナリワイをつくろう!
簡単なアルバイトやネットを使ったビジネスでもいいので、何かしらの仕事しましょう。やっぱり、月17万円ぐらい無いとキツイです
Amazon.co.jp: ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方: 伊藤 洋志: 本
上の本が参考になります。
その4 生活保護を勉強しよう!
最後の最後で生活保護に頼らなきゃいけない時が来るかもしれません
なので、日頃から生活保護を勉強しておきましょう
こちらの本がオススメ↓
Amazon.co.jp: 14歳からわかる生活保護 (14歳の世渡り術): 雨宮 処凛: 本
Amazon.co.jp: 失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで: 大和 彩, 小山 健: 本
以上です。なんとか生きて行きましょう!