シングルマザーの皆さんへ、生活に困ったら、胸を張って生活保護を申請してくれ!頼む!
by:inkswamp
起きてはいけない事件が起きてしまいました。
2015年、5月12日、とある裁判の判決が出たんです。
こちらの裁判↓
<生活困窮>強制退去の日、娘を殺害 千葉地裁で12日判決 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
強制退去日殺害:中2娘絞殺…母に懲役7年判決 千葉地裁 - 毎日新聞
う~ん、何でこんな事件が起きるんでしょうか?
よくよく考えてみてください。
この国は、健康で文化的な最低限度の生活を法律で保障されているはずです。
それなのに、こういった悲劇が時々、ニュースで流れて来る。
う~ん、どうすればいいんでしょうかね?「可愛そうだけど、諦めるしかないよ、俺(私)たちにはどうする事も出来ないよ・・・」
そんな声が聞こえて来るような気がします。でもね、落ち着いて、深呼吸して考えてみましょうよ。
これからは、少子高齢化が進み、経済成長なんてありえない未来が待っています。
「自分達とは関係ない」と考えている間に、どんどんとこの国の貧困化は進んで、自分達が高齢者になった時、孤独死しかない、と覚悟しなければいけない社会が来るかもしれません。
いや、もうすでに、そんな社会に成りつつあります。
だって、今回のような事件が起きてしまうんだから!
なので、今日は自分達のために、今回の事件をじっくり考えながら、母親と娘を救う方法はなかったのか?を考えてみましょう!
個人の問題よりも社会の問題として考えたい!
その前に、ちゃんと考えておきたいテーマがあります。
それは、こういう事件が起きると、必ず議題にあがる事です。
ズバリ、生活困窮、貧困の問題よりも母親の責任である、というご意見。
これは、よく解ります。12歳の女の子を殺害した母親は絶対に許してはいけません。
つまり、困窮が我が子を殺したわけじゃないでしょ?というのが今回の事件で母親責任論を訴える方のご意見だと思うんです。
繰り返しになりますが、もちろん母親がやった事は許されない事ですよ。
しかし、しかしですよ、僕は社会の問題として今回の事件を考えたいんです!
もっとはっきり言えば、生活困窮、貧困がこの事件の根元にある、と考えたい!
僕は、もし生活困窮、貧困状態でなければ、母親と娘さんには別の道があったんじゃないのか?と思えてならないんです。
そして、この国に生きるすべての人は、たとえ、甘ったれでも、仕事が出来なくても、コミュニケーションが下手なめんどくさい性格をしていても、貧困状態を受け入れなくていいんですよ
その理由は2つあります。
一つ目は、前にも書いたように、本来、この国ではすべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障されているから、というものです。
二つ目は、健康で文化的な最低限度の生活を保障するために生活保護があるんだから、生活保護を利用すれば貧困が根元にある殺人や自殺は起きるはずないじゃないか?という疑問です。
この二つの疑問がある限り、単純に母親責任論で終わらしてはいけないと思うんです。
生活保護から考える!
そもそも、法律とはどんな理由で生まれるものでしょうか?
簡単に言えば、必要不可欠だからです。
この国は、資本主義をモットーにしながら、ここまで成長して来ました。
「競争してどんどん社会を強くして行こう!」というのが資本主義だとするなら、負ける人達、落ちて行く人達が出て来るのは当然です。
だって、競争とは勝つ人と負ける人がいて、始めて成り立つものだからですよ。
だから、ある意味、資本主義社会では、どんなに努力しても負け続ける人達が出て来るのは当たり前です。
負け続ける人達が出て来る社会のしくみになっているんですよ
そんな事を考えて行くと、健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護が誕生したのは必然ですよね?まさに、生活保護は必要不可欠です。
負ける人達が出て来るしくみになっている社会で、もし生活保護が無かったらどうなるでしょうか?
まず負け続けた人達は、自分を責めるか、他人を責めます。
「何でこんなに馬鹿にされるんだぁ!」、「どうして自分だけ・・・」という想いが強まって行くでしょう。
そして、最悪の場合、自殺や殺人に発展してしまう事だってある。
だからこそ、そんな事にならないために、僕らの国には、唯一の福祉である生活保護が存在するんです!
しかし、今回の事件は生活保護が受理されなかった。
この事実を知って、「母親が生活保護を使えなかったのは、母親が生活保護の利用基準に合わなかったからでしょ?」と思われる人もいるかもしれません。
本当にそうでしょうか?そもそも、役所の人間は母親が生活保護基準に合うか?どうか?確認したのでしょうか?
実は、この疑問に、生活保護の使いにくさの問題が隠れているんです。
僕が最も気になっている部分をご紹介しましょう!
生活保護は申請しなければ使えない!
「申請権」という言葉をご存じでしょうか?
そのままの意味ですね、自分達が申請する権利です。で、すべての国民は生活保護を申請する権利を持っています。
今回の事件の母親も同じで、申請権を持っているんです。
しかし、これは裏を返せば、申請しない人間は知りません、という事なんですよ。
今でも路上で生活する路上生活者の方を目にする事がありますよね。
あの方達がほっておかれているのは、役所の人達が「申請しない人達なので知りません」という言い分を貫いているからなんです。
だから、僕は思うんです。今回の事件の母親も同じように扱われたのではないか?
ヤフーニュースの記事を読んでみると、「相談にのった」と書かれています。
これは、役所の人間が使う最も代表的な水際作戦のフレーズなんですよ
水際作戦を知らない方はこちらをご覧ください↓
生活保護の水際作戦事例を検証する / 大西連 / 自立生活サポートセンター・もやい | SYNODOS -シノドス-
要するに、「相談」であり、「申請」はされなかったので、そのまま帰したんです、というのが役所の言い分なわけです。
問題はここです。母親は相談ではなく、申請しないと生活保護を利用出来ない事を知っていたんでしょうか?
もし母親が知らなかったとするなら、役所の人は「生活保護は申請しないと使えませんよ」と知らせるべきだったのではないでしょうか?
生活保護は働いていても利用できます!
あまり知られていませんが生活保護は働いていても申請できます。
だから、ヤフーニュース記事にあった「仕事をしているので許可しなかった」というのは、正しい対応とは言えません。
まず生活保護は、最低生活費と呼ばれるものがあるんです。
たとえば、あなたの住んでいる地域の最低生活費が12万円だったとします。たとえばの話しですよ
それは、あなたの月の収入が12万円以下なら、生活保護を利用できる資格があるという事です。
今回の事件を思い返してみてください。記事を読んでみると、母親の月の収入は、最大で8万円です。
これは、もし最低生活費が12万円なら、あと4万円足りません。
よって、役所に生活保護を申請し、足りない分の4万円を貰う事が出来るんですよ
しっかり調べたわけではないので断言できませんが、最低生活費が8万円で設定されている地域はないと言っていいでしょう。
だから、事件の母親は、かなり高い確率で、生活保護を申請し、利用出来たはずなんです。
しかも、引用した記事には収入がゼロの時もあったと書かれています。
ここで、またも同じ疑問が出て来るんです。事件の母親は、たとえ収入があっても、足りない分を貰う事が出来る生活保護制度を知っていたのでしょうか?
もし、知らなかったのなら、役所の人間は知らせる事が義務だったのではないでしょうか?
このように、考えれば考えるほど、事件の加害者である母親は、あそこまで追い込まれる必要はなかったのではないか?と思えてなりません。
皆さんはどんなふうに感じたでしょうか?
ぜひ、こちらの本を読んで参考にしてみてください!↓
- 作者: 大田のりこ,河西保夫,大山典宏(生活保護110番),中嶋直幸(装丁デザイン),青山京子(アスタリスク),フジイフランソワ
- 出版社/メーカー: クラブハウス
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 175回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
あなたにもできる!本当に困った人のための生活保護申請マニュアル (DO BOOKS)
- 作者: 湯浅誠
- 出版社/メーカー: 同文舘出版
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
- 購入: 13人 クリック: 356回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
共に考えてみようではないか?