座談会で見えて来た脱貧困に必要な6つのキーワード
著作者:StartupStockPhotos (写真はイメージです)
9月末に私が主催する座談会が開催されましたぁ~
テーマは、もちろん、脱貧困です。
開催場所はこちら↓
【Ǘ】池袋「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を君は知ってるか?
池袋、西口にある隠れ家的居酒屋『たまには月でも眺めましょ』(通称・たま月)をお借りして開催されました。
とは言うものの、この座談会、テーマを変えて、毎月行われています。
正式名は、画像にもあるように『月間高坂勝』です。
高坂さんって誰?、と思われた方もいると思うので、少しだけご説明しますね
高坂さんは、『たまには月でも眺めましょ』のオーナー&店長さんです。
こちら↓の本を書かれていて、ダウンシフターズの生みの親なんです。
ダウンシフターズとは、簡単に言うと、「減速生活者」という意味です。
車のギアを一段下げて減速(ダウンシフト)するように、仕事や生活のペースを意識的に落として、少ない収入と少ない消費で人生の充足感を得るようなライフスタイルを実践している人々のことをいいます。
僕は、「減速生活者」であるという事と脱貧困は根元の部分で繋がっていると思っていて、高坂さんの本に強く感銘を受けました。
解りやすく言うと、ファンになっちゃったわけですね(笑)、今やお店の常連客の一人になっています。
さて、『月間高坂勝』の発案者は、実は高坂さんご自身ではありません。
僕のブロガー仲間が発案者なんです。一応、紹介しておきますね
僕のツイッタ―やフェイスブックで繋がっている方は、すでにご存知かもしれません。
インド人によく似た日本人、小林くんことカルロスです↓
カルロスくんのブログはこちら↓
彼がもともと高坂さんに『座談会をやりましょう』、と呼びかけて実現したイベントなんです。
彼は、第3回まで主催者として参加し、3回以降は主催者を変えて継続しているというわけなんです。
で、第7回目が僕の担当になったんですね
第1回から3回までの座談会が気になる方は、こちらをご覧ください↓
「月間 高坂勝」無事終了!これは間違いなかった!! http://blog.livedoor.jp/kkcarlos/archives/1021577382.html
「第2回 月間 高坂勝」開催決定!主催者カルロスの思い。 http://blog.livedoor.jp/kkcarlos/archives/1022186276.html
第3回 月間 高坂勝”がまるで真っ昼間に開催される健全な合コンみたいになった話 http://blog.livedoor.jp/kkcarlos/archives/1028192540.html
多種多様な参加者の皆さん
平日の午前中に開催された事もあって、面白いメンバーが集まりました
皆さん、大なり小なり自分の働き方、生き方に疑問を持っている方だったように思います。仕事を抜けて来てくれた会社員の男性(30代)、花屋に勤めながら、働き方に悩む女性(30代)。就活で100社落ちた元バンドマン(20代)。
社会の問題に興味のある青年(20代)。また、今回、僕が好きなブロガーさんも来てくれました、コストのかからない男ブログの末永さんです。愛読者なので、かなり嬉しかったです
そして、息子さん、娘さんがひきこもりを経験された事から社会問題に興味を持った男性(60代)。こちらの方は、第一回目から参加されています。スゴイ!
前置きが長くなりましたが、どんな内容が話し合われたのか、を振り返ってみましょう。
貧乏と貧困は違う!
まず、主催者の僕から貧乏と貧困の違いについてお話しさせて頂きました。
脱貧困を考えるうえで、勘違い出来ないポイントなので、冒頭でお話しさせて頂きました。
貧乏と貧困の違いとは何か?
解りやすく言うと、3つの溜めが1つでもある人は、貧乏であって、貧困ではありません。
その3つの溜めとは何か?
その1・金銭的な溜め
その2・人間関係の溜め
その3・精神的な溜め
この3つです。
一つ一つ説明して行きましょう
その1の金銭の溜めとは、貯金、貯蓄の事です。
これは当たり前の事ですね、貯金、貯蓄があれば、たとえ仕事が無くなっても貧困になる事はありません。
次に、人間関係の溜めです。これは、当ブログが日頃から訴えている人とのつながりの事ですね。
たくさんの人と繋がっていて、自分が困った時に友人や家族に助けを求められる状態であれば、貧困状態にはなりません。
最後に、精神的な溜めです。たとえ、仕事が無くなっても、「自分ならすぐに次の仕事がみつかるはずだぁ!」と、思えること。
つまり、どんな困難な状態になっても自信を持っている。これが精神的な溜めです。
そして、この3つの溜めがまったく無い状態が貧困状態であって、一つでもあれば、それは貧困ではなく、貧乏、あるいは貧困予備軍なんですね。
だから、たまに、読者の方から「おまえは貧困状態じゃないじゃないかぁ!」というご意見を頂く事がありますが、仰る通りなんですよ
僕は、貧乏人、貧困予備軍であって、貧困当事者ではありません。なぜなら、2つ目の人間関係の溜めがあるからです。
また、この国では3つの溜めが無くなってしまい、貧困状態になってしまうと、生活保護に頼るしかありません。
まずは、しっかりと貧乏と貧困の違いと生活保護の重要性を理解すること。
その事から座談会は始まりました。
世の中を変える3つの運動
脱貧困に限らず、世の中、社会の問題を変えるためには、どんな方法があるのでしょうか?
皆さんと話し合った事をまとめると、以下の3つのポイントがあると思います。
その1・政治家になる
その2・デモ
その3・経済の斜めのラインを変えて行く!
政治家になるには、今からでは無理なので、実現可能な活動は、その2のデモ、その3の経済の斜めのラインを変えていく!ではないでしょうか?
経済の斜めのラインを変えて行くという言葉は、聞き覚えのない言葉だと思います。
解りやすく言うと、脱経済成長をモットーに、ナリワイ、自営などの働き方を模索して行くという事だと考えています。
デモで脱貧困は可能なのか?
2つ目のデモの話しが出て来た時、座談会が一番盛り上がった瞬間だったと思います。
この記事を読んでいる方の中には、普段の生活から、様々な社会問題を実感されている人が多いと思うんです。
たとえば、シングルマザーなら養育費の高さ、お年寄りなら年金の問題、ニート、ひきこりの未来、うつ経験者の増加、20代の会社員ならブラック企業問題を無視できる人はいないでしょう。
これらの社会問題を解決するためには、自分一人の力では無理なんですよ。
同じ問題を抱えている仲間をみつけてコミニティを作って、会社、政治に呼びかけて行かないと解決、改善は不可能です。
そんな事を考えて行くと、「デモ」という活動が頭を過るのは自然な事なんでしょうね。
これは、脱貧困というテーマで考えても同じことです。先ほど、3つの溜めが無くなると、生活保護に頼るしかないというお話しをしました。
しかし、第二期安倍政権は、生活保護基準を発足と同時に下げてしまったんです。
少子高齢化でますますお年寄りが増えるにも関わらず、生活保護基準を下げるのはさすがに無理があります。
この時も反貧困をミッションに掲げるNPO団体を中心に「生活保護基準を下げるな!」をテーマに各地でデモ活動がおきました。
しかし、「デモの可能性」について皆で話し合っている途中、こんな意見が出て来たんです。
「僕の近所でデモ活動を見かける機会が増えて来ました。でも、僕は正直、うるさい、邪魔だ、としか思えないんです。社会問題を訴える手段として、デモは有効なのかもしないけど・・・なんていうか、もっとポップなやり方はないんですかね?」
これは、貴重な意見ですよね、正直、今回の座談会参加者メンバーは、もともと脱貧困に興味のある人が集まっているので、「貧困問題を解決したい」という想いを大なり小なり持っている方々が多かったと思うんです。
そうなると、意見が偏ってしまう可能性があるので、主催者として、そこを気をつけなければいけないと思っていたんですよ。
だから、実は、デモに対する反対意見が出て来て、内心、ホッとしました(笑)
「デモは意味があるのか?」、「デモをもっとカッコ良く出来ないの?」というテーマの話し合いには、決着がないと思います。
けれど、皆さんとの会話の中で、一つはっきりした事があります。
「デモで世の中を変える事は出来ないかもしれない、でも、デモさえも出来ない世の中に魅力はない」
これです。参加者の一人が言った言葉ですが、なかなか重い言葉ですよね。
デモが出来る環境が自分達にはある。それ自体がささやかな希望になるのかもしれません。
強い経済成長で脱貧困が出来るのか?
参加者の一人から、こんな意見が出ました。
「経済成長が脱貧困を可能にする事は無いんでしょうか?経済が発展すれば、そのままお金が下流に流れて、貧困層の仕事を増やすという事はないんですか?」
出ましたね、この意見、これはしっかり皆で考えたいテーマですね。
これについては、参加者の一人から、「トリクルダウン理論」というキーワードが出て来ました。
トリクルダウン理論とは、富裕層が経済的に豊かになることで、最終的には貧困層も豊かになり、全体に富が行き渡るという理論、または仮説のこと。
具体的には、大企業や富裕層を減税により優遇することで、富裕層らの経済活動が活性化され、最終的に貧困層を含む社会全体に富が行き渡るという理論であり、新自由主義政策などにおける根拠とされる理論です。
しかし、トリクルダウン理論は無理があるという反対意見が出て来ました。
なぜなら、経済成長には、必ず貧しい人達が必要だからです。
日本を始めとする経済発展国は、他の発展途上国の人々を安く雇う事で経済成長を進めて来ました。
また、今は経済成長が行き止まりになって来ています。そのため、世界的に貧しい人々を作り出すと共に、一つの国の中で貧しい人々を作り出す動きにあるのではないか?という意見が出て来ました。
経済成長には、貧しい人達が必要だ。これは、今回の座談会で忘れちゃいけないキーワードです。
ここから、座談会は、「経済成長しなくても幸せになる方法はあるのか?」という大テーマに突入して行きます。
経済成長しなくても幸せになる方法はあるのか?(まとめ)
このテーマもかなり盛り上がりました。
本当は簡単に書けないんですが、長くなるので無理やり6つのキーワードにまとめますね(笑)
その1・精神的な溜め、
その2・小さいコミュニティの重要性(人間関係の溜め)
その3・国と民間の間で生きる
その4・ベーシックインカムって、やっぱりいいよね!
その5・生きているだけで価値がある!
その6・ナリワイをつくる
一つ一つ説明して行きます。
先ほども書いた通り、その1の精神的な溜めは、簡単に言うと、生きる自信です。
何よりも、これが重要になって来る。
そして、生きる自信を持って行くためには、2つ目の小さいコミニティ、つまり人間関係の溜めが必要であるという事です。
たとえば、経済が成長していない貧しい国でも、幸せに暮らしている人達はいる。
そんな人達は、小さいコミニティ、人間関係の溜めが豊富なのではないか?という意見が出ました。
3つ目の国と民間で生きる、という意識もとても重要ですね。
先ほどお伝えしたように、社会問題を変えるためには、政治を変えるしかない。
でも、政治を変えるためには、時間がかかる。ならば、民間で出来る事をコツコツとやりながら、政治に目を向けて行く。
そんな感覚が重要だという事ですね。
4つ目のベーシックインカムは、本当はもっと時間をかけて語り合いたいテーマです。
ちなみに、知らない人のためにご説明しておきます。
ベーシックインカムとは、就労や資産の有無にかかわらず、すべての個人に対して生活に最低限必要な所得を無条件に給付するという社会政策の構想。社会保険や公的扶助などの従来の所得保障制度が何らかの受給資格を設けているのに対して無条件で給付すること。
5つ目に関わって来る、生きているだけで価値があることを社会は認める事が出来るのか?という命題ですね。
そして、「トリクルダウンが無理ならば、自分でナリワイを作って生きて行くしかないよね」という考え方。これが6つ目のナリワイをつくるです。
いやぁ~、参加者の皆さんのおかげで、本当に濃い座談会になりました。
参加者の皆さん、ありがとうございました。
読者の皆様、いかがだったでしょうか?脱貧困って、働き方、福祉の問題と深く繋がっているので、物凄く広いテーマで話してしまいました。
このままだと8000字の記事になるので(笑)、このへんで終わります。
共に、脱貧困の方法を考えて行こうではないか?