税金を生活保護に使うのは当たり前です!、その理由を考えてみませんか?
by:Joi
前回、こんな記事を書きました。
生活保護受給者にギャンブル禁止を訴える前に、依存症についての理解を深めよう! - 脱貧困ブログ
内容を簡単に説明すると、こんな感じ。
「生活保護受給者に、ギャンブルを禁止するべきじゃない。
ギャンブルにハマってしまう生活保護受給者は、ギャンブル依存症の可能性が高いんだから、禁止するんじゃなくて、依存症の治療をして行かないと意味がない」
まぁ、こんな感じの記事を書いたんです。
すると、様々な感想を頂きました。
中でも、多かったのは、税金に関する感想です。
「依存症だろうとなんだろうと、そもそも人の金(税金)を使ってギャンブルしてるのが納得出来ないんだよ。
生活保護費は、生活を立て直すために使うのであって、遊ぶためじゃない!」
う~ん、この意見、本当に多かったんですよ。
まず、この意見に対する僕の答えをはっきり書いておきます。
僕は、生活保護受給者がギャンブルする事に賛成です。
支給された生活保護費内であれば、そのお金を何に使うか?は生活保護受給者の自由だと思います。
要するに、ギャンブルも「健康で文化的な最低限度の生活」の範囲内だと考えているわけです。
ただ、支給された生活保護費をすべてギャンブルに使ってしまうのは、問題です。
前にも書いたように、その場合、生活保護受給者の方がギャンブル依存症の可能性があります。
こうなると、行政はすぐに大分県別府市と同じように、生活保護の停止を検討すると思います。が、その前に、その方の依存症の治療に保護費を使うべきではないか?と思うのです。
結局、保護費を依存症の治療に使ったほうが、今後、その人が生活保護に頼る期間を短縮できると考えているんですよ
で、こんな事を書くと、必ず非難されたり、酷い時は激怒されます。
「おまえ馬鹿じゃないか?!どうして、そんな考えになるんだよ?!」
こんなふうに怒られるんです。説明しましょう。
激怒するあなたと僕の違いは、生活保護が保証する「健康で文化的な最低限度の生活」に対する捉え方と税金に対する考え方です。
まず、冷静になって、考えて行きましょう。
権利はすべての人に認められるべきである
簡単に言ってしまうと、一般の人達にギャンブルを認めるなら、生活保護受給者にもギャンブルを認めないと、不公平です。
食費や携帯代、その他、生活費の事を考えながら、生活保護費内でギャンブルに行くなら、べつにいいじゃないですか?
ちょっとした楽しみすらも奪われて、この先の将来に希望が持てますか?無理でしょ?
僕がなぜこんな考え方になるのか?と言うと、生活保護は貧困当事者に国が施しやお恵みで与えてあげるものではなく、生存権に基づく国民の正当な権利だからです。
そう、僕に激怒したあなたの権利でもあるんですよ
ここが重要なポイントなんです。いいですか?よく聞いてくださいよ
誰が貧困状態になってもおかしくない
激怒したあなたは、一生懸命に働いている方なんだと思います。
上司の訳のわからない説教を我慢して、雪が降った日もイライラしながら満員電車に乗って、
長いだけで結論が出ない会議に出て、毎日ストレスだらけなのかもしれません。
もしかしたら、うつの一歩手前で、限界まで来ている可能性だってあるでしょう。
でも、あなたは仕事を辞められない。
老後のお金の事、周囲の目、お子さんがいたら養育費の心配、何より「この仕事を辞めたら雇ってくれる会社なんてない」と、思ってしまっている。
だからこそ、生活保護受給者がパチンコに行くと、ムカッとしてしまうのでしょう。
「俺(私)がこんなに頑張っているのに、税金使って、遊びやがって、ふざけるな!」と、思ってしまう。
でもね、生活保護はあなたの権利でもあります。
会社が辛い、頼る人もない、挙句にうつや病気になってしまい、貯金が無くなってしまう。
そんな時は、生活保護を使っていいんですよ。いざとなったら、生活保護です
「自分も生活に困ったら生活保護に頼らなければいけなくなるかも!」。そんなふうに思っていると、自然と「生活保護費をギャンブルに使うな!」という発想が出て来なくなりませんか?どうでしょうか?
「たまにはパチンコ行ったり、飲みに行ったり、友達と遊びに行ったりしたいなぁ~」と思うのが自然な人間の感情ではないですか?
繰り返しますが、支給された生活保護費内で、そのお金を何に使うのか?は、生活保護受給者の自由なんですよ
税金とは何だ?
- 作者: 藤田孝典
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税金とは何か?
ベストセラーになった、藤田孝則さんの「下流老人」の中で、こんなふうに説明されています。
端的に言えば税金とは、『国民の「健康で豊かな生活」を実現するために、国や地方公共団体が行う活動の財源となるもの』である。
それに照らせば、生活保護による国民の救済は、まさに税金の使い道として本義と言えよう。
どうでしょうか?僕はこの意見に賛成です。
そして、思うです。
今、生活保護を利用している受給者だって、これまで税金を払って来たんだから、堂々と貰ってもいい、と。
人はみんな歳を取って、高齢者になります。そうなれば、貧困が身近になると思うんです。
これは、高齢者に限った話しではありません。若者もブラック企業、非正規雇用の増加により、いつ貧困状態になってもおかしくない。
だからこそ、自分達のために、自分のために、生活保護受給者が居心地の悪い雰囲気を作ってはいけない。
生活保護受給者を何らかの理由で非難する事は、自分で自分の首を締める事と同じなんだ、と思えてなりません。
どうでしょうか?ぜひ、考えてください。
最後に、ツイッターを見ていたら、素晴らしい言葉に出会ったので、ご紹介します
生活保護より給料が安い…だから生活保護をやめろじゃなく、生活保護なみに給料をあげろが正しい。 事情がある人の最後の砦があるから福祉国家だよ
いいでしょ?この言葉、めちゃくちゃ大事な感覚だと思います。
共に、誰もが貧困に怯えなくていい社会を考えて行こうではないか?!