若者に努力しろ!と言うのなら、ブラック企業を無くす努力もして行こうよ!合法ブラックと違法ブラックを知っておこう
今、就職して、企業で働き続ける多くの人達は、こんなふうに思っているのではないでしょうか?
「世の中には、かなり酷いブラック企業かまぁまぁ酷いブラック企業しかない。
だから、まぁまぁ酷いブラック企業に就職してしまっても、それは運がいい事なんだから、文句を言わないで働き続けるしかない!」
そして、まぁまぁ酷いブラック企業に就職した人達は、かなり酷いブラック企業に就職してしまった人達を見て、ホッと胸をなでおろすようになって行きます。
ニュースなどで、時々、報道される「サービス残業」、「退職強要」、「契約と労働条件が違う」、「労災隠し」、「トライアル雇用」、「過剰なノルマ」、「パワハラ、セクハラ、マタハラ」、最悪な場合、「過労自殺」もあったりする。
これらの事件を知って、まぁまぁ酷いブラック企業組は、「良かった、自分達はましな方だ、あそこまで酷くない、確かに辛い時もあるけど、恵まれた環境で仕事をしているんだから、感謝しなきゃ!」と、感じると思うんです。
どうですか?ドキッとした人いませんか?
まぁまぁ酷いブラック企業組は、裁判沙汰になったりする事もあるかなり酷いブラック企業組の地獄のような環境を知るたびに、「あそこまでじゃない」と自分に言い聞かせながら仕事を必死に続けているわけです。
でもね、はっきり言わせて頂きたい!
それって、おかしくないですか?!いつか限界が来ませんか?
さらに、まぁまぁ酷いブラック企業組は、上の上司たちにこんな助言をされます。
「不景気なんだから、今時、ブラックじゃない企業なんてあるわけないじゃん!、完璧なホワイト企業なんて幻想だろう?都市伝説だろう?うちはいいほうだと思うよ、そりゃ大変かもしれないけどさぁ、努力して行こうよ!」
どうですか?会社の飲み会とかで上司に似たような言葉を言われた事ありませんか?笑
この言葉って、労っているように見えて、実は「もっと努力しろ!」って事が言いたいだけなんですよね?(笑)
しかも、まぁまぁブラック企業に就職した若者達は、かなり酷いブラック企業に就職した若者達の地獄を知っているので、上司の言葉に説得力を感じてしまうわけなんですよ!
「上司の言う通りだ!」と、納得しちゃうんです。
だから、日本のブラック企業問題は、未だに解決していない。むしろ、「まぁまぁ酷いブラック企業で安心する現象」が起きているので、昔より複雑化していると思うんですよ
働き方で苦しんでいる当事者の若者が「もっと努力しなきゃ!」と、思ってしまっている。
でもね、その思想、はっきり言って危険です。
限りなくうつ病に近づいています。
本当は、20代、30代の若者に「もっと努力しろ!」と言うのなら、ブラック企業を無くしていく努力も同時進行でやって行くべきなんですよ
そうでなければ、働く人達が身も心もボロボロになってしまう。
とは言え、すぐに効果がある解決策はないかもしれない。
ここまで、読んでくれている人達は、「言っている事は解るけど、しょうがないじゃん!、諦めるしかないんだよ」と、怒るかもしれない。
気持ちは解りますよ、気持ちは。要するに、「変えられないなら、夢見させるなよ」って事でしょ?
けれど、これだけは言わせてほしい。
このまま世の中に、ブラック企業が蔓延すれば、まぁまぁ酷いブラック企業組の働き方もどんどんキツくなって来るじゃないですか?本当は気づいてますよね?
一歩一歩でいい、牛の歩みでもいい、自分達の働き方を改善する方法を模索して行く時期だと思うんです。
では、そこで、具体的に何をして行けばいいのか?
僕は思うんです。
まずは、現状の把握と実際に問題が起きた時の対応を知っておく事なんじゃないか、と。
一つ一つ見て行きましょう。
合法ブラックと違法ブラックを知っておこう
現状の把握とは、簡単に言うと、自分達が働いている職場の労働条件が違法なのか?をしっかりとチェックしておくという事です。
残念ながら、労働条件はキツイんだけど、違法とまでは言えない、という事が世の中にはたくさんあります。
今、そんな労働環境を合法ブラックと呼んでいるんです。
現在、合法ドラックが問題になっていますが、あれと同じ感覚で、多くの会社内でも合法ブラックと言える労働環境が生まれていると思うんですよ。
そこで、今回はザッと合法ブラックと違法ブラックの違いをまとめてみました。
あなたが働いている職場が合法ブラックなのか違法ブラックなのかをチェックしてみてください。
まずは、現状を把握しましょう。
賃金
時給にすると907円未満(違法ブラック)
月収(手取り)19万円以下(合法ブラック)注意・額面で23、4万円以下
残業代が実際の時間分出ていない(違法ブラック)
着替えや準備の時間に給料が出ない(違法ブラック)
一分単位で給料・残業代が計算されていない(違法ブラック)
一方的に値下げされた(違法ブラック)
同じ仕事なのに非正規は資金が安い(合法ブラック)注意・不合理な労働条件の相違は違法
成績評価で値下げされた(違法ブラック)
注意・2015年、日本IBMの値下げに違法の判断(東京地裁)
いかがでしょうか?当てはまるポイントがありましたか?
労働基準法には、労働条件は「人たるに値するものでなければならない」と書かれています(第一条)。
しかし今、日本では「年収200万円以下」の労働者が1100万人超、4人に1人と言われているんです。
この現実を見ても、やっぱり日本の働き方は限界に来ていると言わざる得ないと思います。
労働時間
次に、労働時間です。しっかりと見て行きましょう
サービス残業(不払いの残業)がある(違法ブラック)
残業が月45時間以上(合法ブラック)注意・労使の協定が無ければ違法
残業が月80時間以上(合法ブラック)注意・安全配慮義務違反で追及すべし
過大な業務やノルマで仕事が終わらない(合法ブラック)
家に帰ったら寝て起きて会社に行くだけ(合法ブラック)
人手不足で休暇が取りづらい(合法ブラック)
休憩が少ない(違法ブラック)注意・6時間以上で45分、8時間以上で1時間
三歳前の子供がいるのに残業を強いられる(違法ブラック)注意・残業免除を申請できる
どうでしょうか?合法ブラックが多い事に驚いたんじゃないでしょうか?
また、二番目にある残業が月45時間以上(合法ブラック)注意・労使の協定が無ければ違法という部分が気になった人もいると思うので、補足しておきますね。
労働基準法の抜け道
日本は「一日8時間、週40時間制」です。
これは、学生の頃、学校の授業で習う基本的なルールですよね。
しかし、労働基準法には抜け道があります。
労使で協定を結べば、何時間でも残業させてもよい、という条項です。
たとえば、有名なところだと、東芝の協定は「130時間まで」、NTTの協定は「150時間まで」となっています。
このように、労使はなかなか厄介な決まりなんです。
ブラック企業専門の弁護士、NPO団体に相談しよう
ここまで、読者の方々が働いている職場の現状を把握するため、合法ブラックと違法ブラックを紹介して来ました。
もしかしたら、「やっぱり違法だったのか」とショックを受けた人もいるかもしれません。
しかし、ここからが本番です。
実際に、違法ブラックをあなたの職場で実感したら、ブラック企業対策専門の弁護士やNPO団体に相談してほしいんです。
こんな事を言うと、あなたは激怒するかもしれない。
「相談出来たら苦労しないんだよ、相談したのがバレて会社で虐めにあったり、パワハラが酷くなったらどうするんだ!、ジッと我慢するしかないんだよ」
こんなふうに訴えたくなる人もいるでしょう。
しかし、冷静になって考えてみましょう。
ちょっとあいた時間に、電話をして相談するのは簡単だし、無料です。
会社にバレる事はありません。
最初に書いたように、まずは一歩踏み出すこと、それが大事だと思うんですよ。
どうでしょうか?もし本当に職場がブラック企業で苦しんでいるなら、相談してみてください。
また、先ほどのチェックで、自分の職場が合法ブラックだったとしても、諦めないで、相談してください。
なぜなら、その道のプロに相談すると、法律の抜け穴を教えてくれたりするからなんですよ。
たとえば、労働時間のチェックポイントで残業が月80時間以上(合法ブラック)、注意・安全配慮義務違反で追及すべし、と書いてあったのを思い出してみてください。
安全配慮義務違反なんて法律、しらなかった人多いんじゃないですか?
こんなふうに、僕らには知らない法律がまだまだたくさんあるんですよ
最後に、ブラック企業対策をしている弁護士団体、NPO団体を紹介しておくので、参考にしてみてくださいね。
共に、ブラック企業が無い世の中を一歩一歩目指していこうではないか?!