脱貧困ブログ

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自分の中の毒(加害者的資質)をちゃんと監視出来ていますか?

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ここ数十年に起きた事件、事故、災害で心に刻まれている事はありますか?

あなたはこの質問にどんなふうに答えるでしょうか?

ちょっと考えてみてください

 

きっと、3、119、11相模原障害者施設殺傷事件、もっと過去に戻ってオウムのサリン事件などをあげる人が多いと思います。

もちろん、今挙げた事件、事故、災害以外を思い出す人だっている事でしょう。私は思うんです。

今、質問されて、パッと一瞬にして、甦って来たあなたの心に刻まれた事件、事故、災害は、けして、なんとなく甦って来たわけじゃない、と。

ちゃんと、理由があって、甦って来たのではないか、と私は思うんです

 

報道やネットのニュースなどで流れて来る事件はある意味、自分を映す鏡のような役割があると考えています。

事件、事故、災害を見る事によって、自分の奥底に閉まっていた毒みたいなものが刺激され、甦って来たんじゃないか、と思うんですよ。

だから、なんとなく選んだわけではなく、まさに心に刻まれていたからこそ、あなたは今、脳裏の中でその事件、事故、災害を選ぶべくして選んだ、というわけです。

 

幼い子供が虐待されたニュースを見て、涙が出て来てしまう人は、もしかしたら、親に厳しく育てられた人なのかもしれない。

学校のいじめが原因で自殺した学生のニュースを見て、いじめっ子を殴りたくなってしまう人は、もしかしたら、自分がいじめられた過去があるのかもしれない。

 

このように、自分の過去や現在、体験している出来事が報道で流れて来る事件、事故、災害によって、嫌でも再確認されてしまう事はよくある事です。

私は、今回、それらの忘れられない体験をあえて、と呼ぶ事にします。

 

さて、ここ数十年に起きた事件、事故、災害で心に刻まれている事はありますか?、という質問に、肝心の私が答えていませんでした。

もちろん、3,11も9,11も自分の価値観を変えるほどの衝撃を受けましたが、私の日常の生活にまで入り込んで、つねに側にいる事件が一つあります

 

それは、2008年、6月に起きた

秋葉原無差別殺人事件です。

当時、あの事件が話題になった時、請負のバイト仲間だったY君は言いました。

「あの事件の加害者、加藤被告は、俺だったかもしれない」

この言葉にゾッとしました。Y君を怖がったわけじゃありません。

「加藤被告は自分だったかもしれない」という感想は、Y君一人じゃなかったんですよ。他に何人もいたんです。

その事に、僕は恐怖を覚えたんですよ。

 

今日は、私の中の毒、秋葉原無差別殺人事件について語らしてください。

 

毒は自覚しないと憑依する

実は、あの秋葉原無差別殺人事件を見て、「もしかしたら、自分が犯人だったかもしれない」と考えたのは、Y君と友人達だけではありません。

私自身も、犯人になる可能性があったと強く感じました。

 

と言うのも、話題になった加藤被告の日常と私の日常が、ある一つを除いて、あまりにも似ていたからです

加藤被告の人生は以下のようなものでした。

作家・雨宮処凛さんの「排除の空気に唾を吐け」という本の中に、書かれているので、引用させて頂きます。

加藤被告、青森出身の25歳(事件当時)。

製造派遣業大手の日研総業からトヨタ系の関東自動車工業に派遣され、派遣会社の借り上げアパートに一人暮らしをする。

 

(中略)犯行当時の仕事は自動車部品工場での塗装の仕事。

彼はここで時給1300円で働いていたものの、「六月いっぱい」での契約終了を伝えられる。

この工場では、六月末までに、200人の派遣労働者を50人に減らす計画だったという。

逮捕後、犯人は「リストラに悩んでいた」、「勤務先でムシャクシャした」、「世の中が嫌になった」、「生活に疲れた」と語っている。

青森から派遣で働きに来た25歳の若者の苛立ちは、そうして秋葉原で爆発してしまった。

 

どうでしょうか?どんな感想を持ちましたか?

「きっと、甘えるな、被害者の気持ちを考えてみろ!派遣が全員、犯罪者になるわけじゃない」という怒りを覚えた人もいるでしょう。

仰る通りです。私も加藤被告のやった事は、絶対に許される事じゃないと思っています。

しかし、第二、第三の加藤被告を出さないためには、どうしたらいいのか?、という問いを各自が待たないと、再犯の問題は解決できません

「許せない」という感情の先を考えて行かなければいけないんです。

 

当時の加藤被告と私の共通点があると先ほど、言いました。

共通点は、同じ非正規雇用であること、私も同じ時給1300円だったこと。そして、年齢がとても近かったことです。

では、ある一つを除いてと言いましたが、そのある一つとは何か?

それは、家族と仲が良かった事です。加藤被告は、家族とほぼ絶縁状態だったと言います。

もし、私も家族と絶縁状態だったら、加藤被告の隣で働いていたかもしれない。

そんな考えが、今も頭を離れないでいます。

 

自分を犯罪者にしないために毒を見る

私は思うです。ニュースで事件を見た時のその人のリアクションで、だいたい、その人の犯罪者としての素質がわかる、と。

何か事件を見た時に、「あんな事をするなんて、バカな奴だ、自分はあんな犯罪はしない」と言う人ほど、犯罪者になる可能性が高いと私は考えているんですよ

 

しかし、誰もが犯罪者になる可能性がある、と考え、つねに、自分の毒(加害者的資質)を監視している人は、犯罪から離れる事ができる

 

自分を加害者にしないためには、自分の加害者的資質(毒)を理解する事が一番です。

 

それが出来て、始めて、自分の毒の暴走を止める事が出来る。

さぁ、あなたには、どんな毒がありますか?

私は、秋葉原殺人事件を忘れない事で、自分の毒を監視しています

共に、自分の毒を監視して行こうではないか?!