貧困当事者は自分に厳しい人達です、間違いない!
貧困当事者は自分に厳しい人達です。
こんなふうに言ったら、どう思いますか?
「いや、いや、貧困当事者の人達は自分に甘いから貧困になったんでしょ?、もし自分に厳しい人達だったら、なんとかして貧困から脱出する方法を考えるでしょ?」
もしかしたら、こんなふうに思う人が多いかもしれません。
しかし、私は逆だと思うんですよ。
なぜ、貧困当事者は自分に厳しい人達だと思うのか?
今回は、その理由をご説明しましょう
助けてと言わない人々
たとえば、ホームレスの人達の事を考えてください。
12月、1月のめちゃくちゃ寒い時期に、路上で生活しています。
そして、7月になると、夏のくそ暑い日々の中で生活して行かなければいけない。
もう、この時点で、だいぶ自分に厳しいと思いませんか?
こんな事を言うと、またも反論してくる人がいる気がします。
「それは違う。自分に厳しい人って言うのは、いろいろある選択肢の中から困難な道をあえて選ぶ人達だと思う。ホームレスの人達は、路上生活しか選べなかった人達って事でしょ?状況が違うじゃん」
ところが、ホームレスの人達は、わりと早急に路上生活から脱出する事が出来ます。
生活保護を使うんです。
罪悪感とプライド
生活保護は住所が無くても申請できるんです。
確かに、「居宅保護の原則」と言って、基本的には住所が無ければ申請できません。
しかし、生活保護を申請しに行った、その役所に「現在地」として住所を申請する方法があるんです。
今いる役所に「現在地」として申請すると、そこが自分の仮の住所として活用できるようになるんですよ
だから、ほとんどのホームレスの方達が、「現在地」申請をして、生活保護を使う事が出来るんです。
詳しくは、以下の本をご覧くださいね
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さぁ、そうなると、ホームレスの人達がいかに自分に厳しいか、が解って来ます。
きっと、多くの貧困当事者を支援するNPO団体が、夜回りなどで、ホームレスの人達に「住所が無くても生活保護を使う方法」を伝えているはずです。
しかし、ホームレスの方達は生活保護を使っていない。今も寒い路上で生活している。
なぜなのか?
理由は大きく分けて、二つあると思っています。
一つは、「税金を使わせるのは申し訳ない」という罪悪感。
二つ目は、「人様の世話にはならない」というプライドです。
私は、いい加減で、自分に甘い人なので、もし路上で生活する事になったら、速攻で生活保護を使います。
今まで税金を払って来たんだから、堂々と使わせて頂く。
願わくば、ホームレスの人達には、罪悪感とプライドを捨てて、すぐにでも生活保護を使ってほしい。もっと自分に甘くなっていい。
これだけホームレスの人達に、罪悪感とプライドが蔓延してしまったのは、ある意味、「貧困当事者は自分に甘い」という誤解が世の中に広まっているからです。
ですので、こんな記事を書いてみたくなってしまいました。
共に、誤解を無くして行こうではないか?!