脱貧困ブログ

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生活保護受給者にギャンブル禁止を訴える前に、依存症についての理解を深めよう!

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今、大分県別府市の長野恭紘(やすひろ)市長が生活保護受給者に、パチンコ店の出入り禁止を指示した事が話題になっています

詳しくは、こちら↓

別府市、生活保護の実態調査強化 受給者の遊技施設出入りなど 大分 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

ギャンブルは「最低限度の文化的生活」に必要か?(木曽崇) - 個人 - Yahoo!ニュース

上の記事に、大分県別府市・長野恭紘(やすひろ)市長のインタビューが掲載されていたので、一部、引用させて頂きたいと思います。

 

セーフティーネットではなく生活再建のトランポリンに

 大分県別府市の長野恭紘市長(40)は産経新聞のインタビューに生活保護をトランポリンのように従来の生活に戻れるような仕組みにしたい。調査・指導の強化は、自立支援策の一貫だ」と強調した。

 生活保護の問題については、「流す汗の価値のない国」「働く意欲をなくす国」にしてはいけないと常々考えてきました。

 別府市は数十年前から、パチンコ店や競輪場における調査をやっています。ただ、その調査自体や結果を公表することはありませんでした。

 昨年12月、初めて市議会で調査を公表しました。それは受給者の方にギャンブルに行くことを自制してもらう効果があると思ったからです。

 ギャンブルはお金を失う、負ける場合がほとんどです。

生活保護健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です

果たしてギャンブルは、最低限度の文化的生活を送るために必要でしょうか。市民感情国民感情に照らし合わせても、ギャンブル費用を税負担しているということは理解を得られないと思います。

 

以上が気になった市長の意見です。

言ってる事は、実に説得力があるような気がします。

きっと、この市長のインタビューを読んで、「そうだ、そうだ!、よくぞぉ、言ってくれました!」と、称賛(しょうさん)する人すらいる事でしょう。

でもね、僕は重要なキーワードが一つ抜けていると思えてなりません。

それは、「依存症」というキーワードです。

生活保護受給者がパチンコやギャンブルに手を出してしまうのは、ギャンブル依存症の可能性がかなり高い!

そんな観点から、大分県別府市は、行政として、「依存症」の問題をどんなふうに考えているのか?という問いに、答えなければならないと思うのです。

それは、この国の福祉の未来を考える事でもあると思うんですよ

 

「依存症」は自己責任だ、という人達がいます。意志が弱い人がなるものだ、と。

きっと、今回、大分県別府市が提示した「生活保護受給者、パチンコ店出入り取り締まり」案も「依存症」は自己責任だ、という視点から考え出されたものだと思うんです。

しかし、「依存症」は自己責任ではありません。いや、正確に言うと、依存症になってしまった人に、「自己責任だ」と言ったところで何も解決しないんです

ギャンブル依存症」は、今後ますます、ウツに並ぶ、現代病として広まって行く可能性があると僕は思っています。

まずは、その理由からご説明しましょう。

 

「依存症」は誰がなってもおかしくない

調査によれば、日本のギャンブル依存症者は536万人、その有病率は男性9.06%、女性1.6%とされています

米欧の0.2~5.3%と比べ、突出して高い数字です。背景には日常に深く浸透しているパチンコの存在があり、人口の28人に一台、世界のギャンブル機の6割が日本に設置されていると言われています

この数字からも解るように、もはやギャンブル依存症は国民病です。

誰がなってもおかしくない。その背景には、僕らの働き方が大きく関係していると思います。

 

ストレス社会の中でみんな何かに依存している

みんな忙しすぎますよね?

この記事を読んでいる読者の方が会社員なら、日々、実感している事でしょう。

「辞めて行く人が多すぎて、自分が担当する仕事量がどんどん増えている。もう、精神的に限界だ」

「部署に必ず一人、ウツで休職している人がいる。正直、次は自分じゃないか?と心配になる時がある」

「頑張ってるのに、上司が認めてくれない。毎日のように、無理を言ってくる。このままだと、いつか上司を殴りそうだ」

 

会社の中で生きるためには、これらのストレスを大なり小なり抱えていかなければなりません。

でも、人間、そんなに強くない。酒を飲んだり、遊んだりして、ストレスを発散して行かないと、とても普通に生活して行く事なんて出来ないんです。

だから、人はギャンブルに手を出してしまう

パチンコやったり、競馬したり、宝くじでささやかな夢を買って、みんな発散したくなるわけです

そんな事を考えて行くと、ギャンブル依存症の方に、甘いとか、意志が弱いなどの言葉を発する事は出来ません。

やっぱり、誰がなってもおかしくない。だからこそ、行政は民間と協力して、もっと本気になってギャンブル依存症の対策に取り組まなければいけないんです。

大分県別府市は、生活保護受給者にパチンコ店の出入りを禁止するのではなく、「依存症」の調査を本格的に開始し、医療機関に積極的に繋げて行く事が求められるのではないでしょうか?

ギャンブル依存症の方の生活保護受給を止めたところで、結局、また貧困状態になるだけで、再び生活保護に頼らなければならなくなります

本当の意味で生活保護をトランポリン、自立支援として機能させたいのであれば、「依存症」の対策は避けて通れない課題なのです

これは、行政が福祉の精神で責任を持って、市民と向かい合うべき問題ですよね。

さぁ、どうでしょうか?この記事を読んで頂いたのも何かの縁です。

ぜひ、じっくりと生活保護ギャンブル依存症の関係を考えてみてください。

共に、依存症を勉強して行こうではないか?!