生活保護初心者にオススメl生活保護の本当を知る雑誌『はるまち』が面白い!
憲法25条の『健康で文化的な最低限度の生活』を具体化したのが生活保護です。
やっぱり、貧困の問題を考える時に、生活保護は無視できないんですよね
たとえば、ウツで仕事が出来なくなってしまった。
事故にあって、ケガで仕事が出来なくなってしまったなんて時は、生活保護に頼らざる得ない。「正直、絶対に生活保護に世話にはならねぇぜ!」と断言できる人なんてこの世にいません。
だから、僕はここ数年、生活保護の知識は、学校授業の一環として取り入れるべきだと考えてるぐらいなんです。
最低生活費の計算の仕方とか、普通に数学の勉強になると思うんですよ。
とは言え、分厚い本をじっくり読むのも、なんとなく、めんどくさいというご意見もあるでしょう。
読みやすい本もけっこうあるんですけどね。
2009年発売の「プチ生活保護のススメ」とか雨宮処凛さんの「14歳からわかる生活保護」とか、この2冊は本当に読みやすいのでオススメです。
しかし、「もっと気軽に学びたい!」、「ガッツリ学ぶんじゃなくて、まずは基本を知りたい」と考えるわがままな方もいるでしょう。
やっぱり、自分の身に降りかからない事は労力を割いて知りたいと思わないですよね。
僕もフリーランスとして働いてなかったら、生活保護を勉強してなかったかもしれません。
でも、普段、生活保護と無縁の人こそ、生活保護の実態を知ってもらいたい。
そこで、あなたのわがまま、叶えます。
生活保護利用者、元利用者で作る雑誌『はるまち』を読んでみてください。
生活保護利用者、元利用者の方々の「生活保護に対する誤解を無くしたい」という想いから作られた雑誌なんです。
一部の人達は、「生活保護利用者は甘えだ」とか「税金泥棒」とか思うかもしれません。
でも、雑誌の制作に関わる方達は、生活保護費がなかったら、どうなっていたか解らない人達です。
そんな人達が語るからこそ、生活保護の重要性がビシビシと伝わって来るんです。
先ほども書いたように、生活保護に馴染みのない人も勉強できる内容になっています。
雑誌制作メンバーの中には、派遣村で有名な湯浅誠さんも参加されていて、生活保護入門として説明してくれています。
以下、引用です。
『よく誤解されますが、生活保護にはカテゴリーが3つあると思ってください。
1持つ事が認めれていないもの(例・車)
2認められているけど、そのためのお金は出ないもの、自分で生活保護費を工面してお金を用意する必要がある(例・エアコン、テレビ、携帯)
3認められてて、そのためのお金が出るもの(例・小中学校の教材費、家賃)
2と3が間違いやすいんです。
認められてると言っても、そのお金は自分で用意してってものが結構あります』
どうでしょうか?たぶん、知らなかった人多いんじゃないですか?
「どうせ、いろいろ免除されてるんでしょ?生活保護って?」と思っている人もいたと思うんです。
でも、実際は認められていると言っても、お金は自分で用意しなきゃいけないものが多いんですね、全部、免除されてるわけじゃないんです。
そんな事を知ってると、生活保護に対するイメージが変わって来ます。
他にも、ぜひ、紹介しておきたいのは、雑誌制作に参加されている、ライター、小林さよさんの執筆に対する情熱です。
1990年生まれの若いライターさんですが、すでに、私より文章が上手いと思いました(笑)
小林さんご自身も、元生活保護受給者で、幼少期より生活保護家庭で育ちます。
小林さん企画の『さよの昨日今日明日』は読みごたえがあるんです。
最新号のテーマは、『自分にとって、親の離婚ってなんだったの?』
母子家庭で育った小林さんはこれまで、家にお母さんしかいないのが当たり前すぎて、あえて「離婚」について考えるようなことは多くなかったと言います。
しかし、シングルマザーの問題を考えた先に、生活保護が見えてくるのは必然です。
自分がどんな家庭で育ったか、その環境が自分の結婚観にどんな影響があるのかを若者3名と座談会形式で語り合っています。これもとても勉強になりました。
いかがでしょう?このように生活保護の基本を生活保護利用者、元利用者の視点といっしょに学べる雑誌は、なかなかありません。
ぜひ、読んでみてくださいね。
最後に湯浅さんの生活保護費基準引き下げについてのコメントを書いておきます。
『問われているのは生活保護利用者のもらっている金額は妥当かではなく、私たちにとっての健康で文化的な最低限度の生活とは何か?だったが、それが正面から議論されることはないままのように感じる』
う~ん、重要なポイントだな!